2013年09月01日

日常を壊したい欲求

私は物心ついた頃から「こんな変な事を言ったら、皆の反応はどうなるんだろう?この状況を変えてみたい。」という欲求が異常に強く、突然に突拍子もない事を言ってはその場を笑わせるのが好きでした。
良く言えば「日常にある開く事がない小さな窓を少し開き違う風景を見たい」という欲求が強いのです。

それは会話だけには収まらずある行動に出る事もしばしばありました。

20年以上前、上京したての私は古着のフェイクファーのコートにベレー帽を被り、ミニスカートにペイズリーのタイツという気が狂ったような出で立ちで原宿を探索してました。
すると奇麗な色っぽいお姉さんが私に声をかけてきました。
「美大生ですか?いかにも絵が好きそうですね。今この近くで絵の展示をしてますが見に来ませんか?」と声を掛けてきました。今ならありがちのセールスと直に分かるので無視しますが、当時の私は無知でありおまけに暇で、好奇心も旺盛、そしてお得意の「日常にある小さな窓」を開きたかったので何の躊躇もせずお姉さんの言うギャラリーに足を踏み入れました。
当時私は絵は描いていませんでしたが絵は好きでした。
でも残念なことにそこに飾ってある絵はどう見ても好きな絵ではなく色も形もセンスがなく、良いと思う絵が一つも見つかりませんでした。
がっかりして帰ろうとしたらお姉さんが「この絵の前に座って下さい」と言うのです。
私が座ると「どうですか、この絵が自分の部屋にあったら素敵でしょう?
朝起きるとこの絵が迎えてくれるのですよ。それが1日コーヒー1杯の金額でその願いは叶うのですよ。」
と言ってきました。
そう、お姉さんは「この絵を部屋に置けばあなたが望む日常の小さな窓を開き違う風景が見えますよ」といいたいばかりに自信満々で言ってくるのです。
でも私はこんなダサい風景を見る為にこの窓は絶対に開きたくなかったのです。
そして純真無垢な素直な私は「すみません、この絵を全く良いとは思いません。部屋に置きたくないし私の趣味にはあいません」
と断りました。そしたらお姉さんはそれ以上なにも言わず速やかに引き下がりました。

それ以降私はこういったセールスの裏側を覗くのが楽しみになってきました。
ある日渋谷を歩いていると「ann annやnonnonの雑誌のアンケートですがちょっと良いですか?」と20代の男性に声を掛けられました。
アンケートだけならと了承すると雑居ビルに連れて行かれ本当にアンケートを書かされました。
その内容は自分の体の事について。「奇麗になりたい所はどこですか?お肌の調子は」などというアンケートです。私はそれに「私は今のままで十分奇麗だしこれ以上奇麗になる必要はないです。肌も奇麗だしスタイル抜群なのです。」と書いたらそこにいた女性は苦笑い気味に「そうですか。あなたには必要ありませんね。」とこれまたすんなり返してくれました。
エステの勧誘だったのですがまったく戦いがいのない相手です。

こういった体験が私には沢山あります。怪しい霊感商法や怪しい宗教など。
人に言うと「本当に怪しい出来事が寄ってくるね」と言われます。
さすがにそんな事にいちいち首を突っ込んでみるのは20代で辞めましたが、当時はやっていた「裏物の本」が好きでそのライターになりたいと一時思ったりもしました。

この行動で得た事は怪しい物を見分ける臭覚と、裏側の扉は至る所にあるという事。
先日も家の郵便受けに「ヨガの無料体験」のビラは入っていました。
ダイエットもしたいし行ってみようかなと思ったけど、怪しい匂いがプンプンする内容でした。
ネットで調べると案の定怪しい所でした。

今はこの「違う景色を見たい」欲求は自分の妄想の中だけでする事にしました。
それ以外にも、映画や本で事足りるようにはなりました。
何よりも絵を描く事で日常を壊したい欲求は満たされるようにはなりましたから一安心です。



posted by kyoko at 03:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする