2012年07月07日

音の鍵

過ぎ去った日々の写真を見ると胸がザワザワするのは何でだろう。
この風景は変わらず今もあるのに、写真の中の人はもういなかったり、
きっともう一生逢う事はなかったりするから
私は記憶の中のその人を探します。
頭の中の普段は触れない場所に小さな虫が入り込んで、
痒くてたまらないから、
その虫を探すように、
私は形のない欠片の姿を探している。
そんな日々が最近続いているのはきっと雨音のせいだと思います。
ノスタルジアが遠慮なしに襲って来て、夜中に急に目がさめて
もの悲しさに心が染まってしまう。
それは大抵が知らないうちに雨が降っている夜なのです。
私だけがそうなのかは分かりませんが、
雨音は何か心に作用するそんな力があるような気がします。

音というのは不思議で、瞬間に消えてしまうのだけど、
昔良く聴いていた曲が流れてくるとその時の何気ない光景が脳裏に映し出されます。
それは昔住んでいたアパートでチャーハンを食べている光景だったり、
昔よく遊んだ友達の笑い顔だったり、
大嫌いだけど、それでも好きだった人だったり。
音が小さな箱の鍵をカチャと開けて
僅かに空いた隙間から光が一直線に飛び出してきて
パラパラとその頃の映像を映し出します。

今私がこうしている時の音も、
今この瞬間の光景に仲良くひっついて
せっせと箱に閉じ込めて記憶と混じりあっています。


posted by kyoko at 20:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする