2012年05月01日

象のシワでは萌えません

吉祥寺バウスシアターで「淫力魔人イギー・ポップ&ザ・ストゥージズ」を見ました。
全編ライブのこの映画。イギーポップ64歳。身体はかなり鍛えているし、年齢なんて全く感じさせられずとにかく圧倒されたのだけど、イギーのシワとキズだらけの身体をみていたら、私の脳の記憶のスイッチが入り、いつか会った女の人が私の頭の中に何度も何度も映し出されてきました。
記憶の奥の方から滲み出た女の人。
中央線であったあの女の人。
電車の座席に座っている30代位の女の人の前に立った私は女の人の胸元に釘付けになりました。
実際には目が釘付けになるのは一瞬だけで、私の心が胸元に置き去りになりました。
電車から降りてからもずっと感動に近い感覚を抱え忘れられずにいました。
女の人は胸元が開いた服を着ていました。
その胸元にはかなり深いキズ跡が。
怪我をしたのか、手術の跡なのか、白い皮膚に縫い跡がくっきりと残っていたその胸元はとても美しくてうっとりと見とれてしまったのです。
女海賊エメラルダスにも顔にキズがあります。
女の人のキズを見たのはエメラルダスと母親の帝王切開の傷跡以来で、エメラルダスのキズも母親のお腹のキズも子供心にカッコいいと思っていました。

もし私にも同じように身体の何処かにキズがあったなら、多分こうやってキズを出す事はなく生きて行くでしょう。
あえて胸元のキズを出すという事、それは自分が生きてきた証を包み隠さずさらけ出す事のような気がします。
あの女性にもキズにコンプレックスを感じる日々もあったかもしれない。
だけどコンプレックスを潔く堂々と出し、そして出し続けていたらそれはファッションとなるという事を知りました。
誰にも真似出来ない心のファション。
私の好きな映画「ひなぎく」で女の子が「私はがに股。でもそれが個性」と歌うシーンがあります。
私はこのシーンが大好きで、この詩も大好きです。


イギーのライブを見ながら分かった事。
私はシワとかキズを見ると萌えるんだ。
イギーのシワとキズだらけの身体も、あの女性の胸元も、お婆さんのシワシワの胸元も本当に美しいと思う。
若い頃のツルツルしている皮膚よりも美しいと思う。
世の中の価値観とかそんなもの覆す、なんだか心がザワザワする美しさです。

posted by kyoko at 02:28| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする