2014年11月30日

滅多に引かない私が引いた映画。

中学の頃、年に数回体育館で全校生徒で映画を見る行事があり一年生の頃は確か「幸福の黄色いハンカチ」だったと思う。
この映画を見て当時の私にはもの凄く腑に落ちない場面があった。
殺人の罪で刑務所に入っていた高倉健役のゆうさんが出所して
「もしまだ待っていてくれるのなら黄色いハンカチを竿の先に揚げてくれ」
と奥さんに手紙をだし、結果ハンカチは上がっているのだけど、私は「黄色ハンカチなんかそうそうないよ。薄黄色のタオルとか上がっているのかな?」と思ったら映画では真っ黄色のテロテロした旗みたいな布が何十枚も揚がっていた。
それにもの凄く不自然さを感じたのを今でも覚えている。
そんな事を思い出していたら、建さんが殺人を犯した理由をすっかり忘れていた事に気づき、気になったので先日テレビでこの映画を見てみた。
あの健さんの事だからのっぴきならない理由があったに違いないと私は確信していたのだけど。
そして映画を観て殺人の理由に愕然とした。
健さんは一目惚れしたバツイチの倍賞千恵子と結婚し、しばらくして奥さんは妊娠したが流産してしまう。
病院で先生から5年前にも奥さんが流産した事を聞かされた健さんは
「俺は隠し事をする女は嫌いだ」
と言い酒を飲み家を飛び出し、夜の街で肩が当たっただけという理由で男に暴行し殺してしまうのだ。
流産して一番傷つき弱っているのは奥さんなのに昔の事をチクチクと言い出し、殺人まで犯す。
「昔流産した事が俺はそれくらいショックなんだ」と言わんばかりに。

今迄私はどんなに酷い内容のでも映画の内容ではなかなか引かない。
そのなかなか引かない私がこの上なくどん引きしたのはこれだけではない。
出所した後、武田鉄矢がチンピラに絡まれるのだけどその時も殺人を犯した時と同じ方法でチンピラに暴行している。
確かその時の台詞が「あんたはそんな事くらいで怒るのか」とチンピラに言うのだ。
武田鉄矢が桃井かおりと喧嘩した時も
「女は弱いから守らなくてはいけない」と説教するのだ。
見終わってどの口が言うんだよ!と思わず叫んでしまった。

ダメダメ男がでる映画は結構好きだ。
それは本当に人間らしくて、憎めないたちのよいダメ男。
でもこの健さんはたちの悪いダメ男だ。
一見礼儀正しく、義理人情に厚く女性には優しそうだけど、昔の男尊女卑の考えが根強く残っていて、直ぐ頭に血が上り、強引で、ウジウジしていて、そのくせ人には説教する。
倍賞千恵子を好きになって何度かデートするようになったが冷たくされた時なんて家までこっそり行き倍賞千恵子が乗ったバスに走ってついて行くのだ。
思わず「気持ち悪い」と叫んでしまった。
そのくせ「俺は不器用だから」と言う。
本当に不器用な人間は自分で不器用だなんて言わないよ。


私の通っていた中学ではこの映画が名作だから見せたのだと思うが、この映画の何処が名作なのだろう。
ただ北海道の景色と桃井かおりはとってもよかった。
彼女がいたからとても救われた。

まだまだ言いたい事は沢山あるのだけど悪口だらけになってしまうのでこの辺でやめておきます。
名作という世間の言葉に惑わされてはいけない。
私はそういう事に惑わされずにちゃんと見極めて生きて行こうと思い知らされた感謝すべき作品です。
posted by kyoko at 15:57| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする