2012年10月17日

私だけに聞こえる。

突然雨音が聞こえてきたので洗濯物を取り込むため急いでベランダに出るも、雨はこれっぽちも降ってなくて道路も濡れていないので「なんだ空耳か〜」と思い部屋に戻り飲みかけの珈琲を飲み干して暫くしてもずっと雨音が聞こえてました。
深まり始めた秋の午後、
その日は確かに青空の洗濯日和でした。

さっきからずっとポツポツと一定のリズムで聞こえる雨音は一体いつ止むのかしら?。
もしかしたら、ライブに行くと一晩中耳鳴りがするみたいなものかもしれないから一晩寝たらきっと聞こえなくなるだろうと気楽に思ってました。
ところが翌朝になっても雨音が聞こえている、外に出てどんなに目を凝らして青空を仰ぎ見てもやはり雨なんかこれっぽちも降ってなくて、耳の穴に指を入れてかきましてみても、耳栓をしてみても、トントンと軽く頭を叩いてもずっとずっとポツポツと雨音が聞こえてくるのです。

それでも二、三日したら聞こえなくなるだろうという変な確信で放っておく事にしました。
だけども三日が経っても相変わらず雨音は聞こえている、そしたら一週間位したらきっと聞こえなくなるさ、一週間たったら一ヶ月したらと思っているうちに、もう私は雨音が聞こえてくるのも殆ど気にならなくなってそれが私にとって普通な状態になり、時にはその音が心地よくも感じるようになりました。

もうそれからは雨音が友達のような存在になってきて、
一人道を歩いている時はその雨音のリズムに合せて歩いてみたり、
雨音に詩をつけて歌ってみたり、
雨音のリズムや音色にも色々あって、トタン屋根の雨音、土の地面の雨音、草むらの中の雨音、海の中に溶けもむ雨音と頭の中には沢山の景色が現れてくるのです。
とっても強い雨音の日は外界の音は一切聞こえてこなくなるので、ずっと一人で集中して考え事をするのには丁度よくて、もう亡くなった両親の事を、友達の事を、森の中に住んでいる生き物の事を考えたりと、とにかくこの雨音が聞こえるようになってから一人で色んな景色を映し出したり、考え事をする時間が増えるようになりました。

そんなある日、もっともっとようく耳を澄まして聞いていると雨音の中に誰かの足音が微かに聞こえてきました。
それは慎重な丁寧な足音だったり、時にはバシャバシャと水が跳ねる程乱暴な足音だったりして、その足音は確かにだんだんと私の方に近づいてくるのです。
きっと誰か素敵な人が訪ねてくるのに違いないと私はワクワクしながら待っていました。
何か良い事が起きる予感、幸せがやってくる予感、そんな予感を感じながら毎日を過ごすようになると現実世界で多少落ち込む事があっても
「今でも足音が近づいてきてる。きっといつかいい事あるんだ」と思うようになって気落ちする事がなくなり私は毎日を幸せに過ごす事が出来るようになりました。
永遠にその足音の主を分からないだろうと分かっていても、きっと一晩寝たら、明日になったら素敵な事が起きると思いながら過ごすようになりました。

前にもこのブログに書きましたが子供の頃、雨の日はずーと耳を澄まして雨音の中から聞こえる足音を聞いて誰かが迎えにくるのではとドキドキしながら待っていました。
それは本当に雨が降っている日に聞こえる足音で、今のように常に私だけに雨音が聞こえたわけではありません。



「私の背中にいつも人がついているのよ」と生前母親が突然言い出した事があります。
それ以降ちょっとした予知が出来るんだといいはるのですが、私はその時は「何言っているんだろう?」と半信半疑でした。
だけどもしかしたら私のこの常に聞こえる雨音は、この母親の言う「背後の人」と同じような事なのかもしれない、と思うようになりました。
今となってはもう聞けないけど母親の言う「背後の人」の事を信じて、もっと詳しく聞いておけばよかったと後悔してやみません。


私にとってはそんなに悪い事でもないので、
取りあえずしばらくはこの雨音を楽しみながら生きて行こうと思います。




posted by kyoko at 21:34| 半分妄想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月07日

お仕事をしました。そしてホームページに絵を追加しました。

別册文藝春秋11月号 『ナイルパーチの女子会』柚木麻子さん著の扉絵を描きました。
大好きな本のお仕事でとても嬉しいのと、そしてなによりもこの小説がとっても面白いのです。
読み始めて直ぐに文章の中に吸い込まれ、ドキドキしながら読み進めました。
女性の方はきっと「私にも似たような事ある」と直ぐに入り込め、文章を読むにつれドキドキすると思います。
こんな面白い小説を読めるのはとっても幸せです。
そしてどんな絵を描こうと考えるのも、緊張しますが楽しくてしかたありません。

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それと先日の展示の絵などをホームページに追加しました。
お暇でしたら是非覗いて下さい。



posted by kyoko at 02:17| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月06日

ありがとうございました。

「リキテックスアートプライズ2012」無事終了しました。
お忙しい中足を運んで頂いた方、投票して頂いた方ありがとうございました。
85人の展示は今迄経験のない壮大のグループ展のようでもあり、
個展の集合のようでもあり、
普段あまり接する事がないタイプの絵に1日で沢山であう事ができたのでとても刺激になりました。
それと同時に「絵を描く人がこんなにもいるんだ」と思うともっともっと絵が溢れる世界になって欲しいと切実に思います。

そしていつも展示に見に来てくれるお友達とお世話になった方が集まり、楽しそうに話している光景を見るだけでも幸せでした。

お忙しい中駆けつけてくれた方、初めてお会いした方、長い時間ずっと残り搬出まで手伝ってくれたお友達、感想ノートにとても励みになる言葉を書き残して下さった方、本当にありがとうございました。
皆さん優しい方ばかりで、出逢えただけで絵を描いていて良かったと思います。
この日の感動は永遠です。

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posted by kyoko at 20:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする